楽園の炎
「ね、完全に日が昇ったら、何を目印に進むの? 暗いうちは星を目印にするって、聞いたことはあるけど・・・・・・」
ちょっと不安になり、朱夏は落ち着きなく、きょろきょろと辺りを見渡した。
「日が昇れば、太陽を目印にするさ。今は空の白み具合。あっちに太陽があるってことだから」
言いながら、夕星が空の明るいほうを指す。
「後は風を読んだりね。・・・・・・朱夏、大丈夫か?」
昨日までとは違い、馬は結構な速さで進んでいる。
前方から吹き付ける風に、朱夏の身体は冷え切ってしまっていた。
小刻みに震える朱夏に、夕星が心配そうに言った。
「ん・・・・・・。ほんとあたし、寒いの慣れてないんだなぁ。今でこんなんじゃ、先が思いやられるわ」
外套を引き上げて言う朱夏に、夕星は少し前に詰めて、己の身体をぴたりとくっつけた。
「引っ付いてりゃ、ちょっとはマシだろ」
「うん・・・・・・」
背中に感じる夕星の体温に、少し照れくさく思いながらも、朱夏は素直に彼に寄り添った。
ちょっと不安になり、朱夏は落ち着きなく、きょろきょろと辺りを見渡した。
「日が昇れば、太陽を目印にするさ。今は空の白み具合。あっちに太陽があるってことだから」
言いながら、夕星が空の明るいほうを指す。
「後は風を読んだりね。・・・・・・朱夏、大丈夫か?」
昨日までとは違い、馬は結構な速さで進んでいる。
前方から吹き付ける風に、朱夏の身体は冷え切ってしまっていた。
小刻みに震える朱夏に、夕星が心配そうに言った。
「ん・・・・・・。ほんとあたし、寒いの慣れてないんだなぁ。今でこんなんじゃ、先が思いやられるわ」
外套を引き上げて言う朱夏に、夕星は少し前に詰めて、己の身体をぴたりとくっつけた。
「引っ付いてりゃ、ちょっとはマシだろ」
「うん・・・・・・」
背中に感じる夕星の体温に、少し照れくさく思いながらも、朱夏は素直に彼に寄り添った。