楽園の炎
「んんん・・・・・・う~ん・・・・・・」
夢も見ずに、ぐっすりと眠っていた朱夏は、覚醒と共に大きく伸びをした。
思い切り伸ばした拳が、ごつん、と何かにぶち当たる。
ちろ、と視線を上に向けると、夕星が小さく呻いて顎を押さえた。
「あ、あれ? ごめん」
慌てて朱夏は、上体を起こして振り向いた。
隣に寝ていた夕星は、朱夏を見上げると、ひょいと手を伸ばして、額に触れた。
「おや、本当に熱は下がったようだな。気分はどうだ?」
あ、と朱夏は、寝台に座って自分の身体に視線を落とした。
よくよく注意して己の体調を窺ってみても、昨日とは打って変わって、すっきりしている。
「うん、もうすっかり。頭の靄も、すっきり晴れちゃってるわ」
「凄いな、憂杏の薬は」
感心したように言う夕星に、朱夏も頷く。
だがあれだけ見た目も味も強烈な薬なのだから、それこそ劇的に効いてくれないと、割に合わないとも思うが。
夢も見ずに、ぐっすりと眠っていた朱夏は、覚醒と共に大きく伸びをした。
思い切り伸ばした拳が、ごつん、と何かにぶち当たる。
ちろ、と視線を上に向けると、夕星が小さく呻いて顎を押さえた。
「あ、あれ? ごめん」
慌てて朱夏は、上体を起こして振り向いた。
隣に寝ていた夕星は、朱夏を見上げると、ひょいと手を伸ばして、額に触れた。
「おや、本当に熱は下がったようだな。気分はどうだ?」
あ、と朱夏は、寝台に座って自分の身体に視線を落とした。
よくよく注意して己の体調を窺ってみても、昨日とは打って変わって、すっきりしている。
「うん、もうすっかり。頭の靄も、すっきり晴れちゃってるわ」
「凄いな、憂杏の薬は」
感心したように言う夕星に、朱夏も頷く。
だがあれだけ見た目も味も強烈な薬なのだから、それこそ劇的に効いてくれないと、割に合わないとも思うが。