楽園の炎
「?」
皆が訝しく思っていると、そのうちアシェンと思われる低い声が、やたら慌てたような響きを持って近づいてくる。
「アシェン? どうしたのだ」
緊迫した雰囲気ではない。
有事でもないのに、あのアシェンが慌てるなど、一体どうしたというのか。
皇太子は、声をかけながら、腰を浮かした。
そこへ、ぱっと入り口の布を跳ね上げて、ナスル姫が入ってくる。
「さぁさ、皆様。お昼ですわよ」
「ひひ姫君! そのようなこと、なさらなくてもっ! お言いつけくだされば、わたくしが運びます」
にこにこと大きな盆を運んできたナスル姫に、アシェンがおたおたと手を伸ばす。
「もぅ。大丈夫だから、ちょっと離れてくださいな。今ちょっかい出されたほうが、危ないんですから」
皇族の言葉は、アシェンにとっては絶対だ。
アシェンの動きを封じ、ナスル姫は皆の前に盆を置いた。
「はい。今日は、憂杏と一緒に作りましたのよ。がっつり食べて、温泉に入れば、疲れも取れますわ」
皆が訝しく思っていると、そのうちアシェンと思われる低い声が、やたら慌てたような響きを持って近づいてくる。
「アシェン? どうしたのだ」
緊迫した雰囲気ではない。
有事でもないのに、あのアシェンが慌てるなど、一体どうしたというのか。
皇太子は、声をかけながら、腰を浮かした。
そこへ、ぱっと入り口の布を跳ね上げて、ナスル姫が入ってくる。
「さぁさ、皆様。お昼ですわよ」
「ひひ姫君! そのようなこと、なさらなくてもっ! お言いつけくだされば、わたくしが運びます」
にこにこと大きな盆を運んできたナスル姫に、アシェンがおたおたと手を伸ばす。
「もぅ。大丈夫だから、ちょっと離れてくださいな。今ちょっかい出されたほうが、危ないんですから」
皇族の言葉は、アシェンにとっては絶対だ。
アシェンの動きを封じ、ナスル姫は皆の前に盆を置いた。
「はい。今日は、憂杏と一緒に作りましたのよ。がっつり食べて、温泉に入れば、疲れも取れますわ」