楽園の炎
差し出された器を受け取ると、食欲をそそるスパイシーな香りが、胃を刺激する。
「わ、美味しそう~」
程良くお腹のすいていた朱夏は、笑顔になって器の中にスプーンを突っ込んだ。
相変わらず大きな野菜が、たっぷりと入っている。
楽しそうに器を配るナスル姫の後ろでは、アシェンが『姫君ともあろうおかたがっ』とでも言いたげな顔で、固まっているのだが。
「ナスル、お前も明日叔父上のところにご挨拶に行くときは、もうちょっとマシな格好をすることだな」
「え、叔父上のところに行くのですか?」
顔を上げたナスル姫は、嬉しそうに身を乗り出した。
「そっか。コアトルの町に入っているんですものね。ご挨拶は、しないといけませんわね。お久しぶりだわ、お元気かしら」
うきうきといった様子で言い、ナスル姫はふと朱夏を見た。
「朱夏、ちょうど良いから、わたくしの服、着てみてね。あ、憂杏もよね。憂杏は、どうすればいいかしら」
ナスル姫の言葉に、皆それぞれ、皇太子と夕星を眺めた。
どちらも細身で、大柄な憂杏とは、全く違う体型だ。
憂杏も太っているわけではないが、全てがでかいので、とてもこの二人の衣装が入るとは思えない。
葵など、問題外だ。
「わ、美味しそう~」
程良くお腹のすいていた朱夏は、笑顔になって器の中にスプーンを突っ込んだ。
相変わらず大きな野菜が、たっぷりと入っている。
楽しそうに器を配るナスル姫の後ろでは、アシェンが『姫君ともあろうおかたがっ』とでも言いたげな顔で、固まっているのだが。
「ナスル、お前も明日叔父上のところにご挨拶に行くときは、もうちょっとマシな格好をすることだな」
「え、叔父上のところに行くのですか?」
顔を上げたナスル姫は、嬉しそうに身を乗り出した。
「そっか。コアトルの町に入っているんですものね。ご挨拶は、しないといけませんわね。お久しぶりだわ、お元気かしら」
うきうきといった様子で言い、ナスル姫はふと朱夏を見た。
「朱夏、ちょうど良いから、わたくしの服、着てみてね。あ、憂杏もよね。憂杏は、どうすればいいかしら」
ナスル姫の言葉に、皆それぞれ、皇太子と夕星を眺めた。
どちらも細身で、大柄な憂杏とは、全く違う体型だ。
憂杏も太っているわけではないが、全てがでかいので、とてもこの二人の衣装が入るとは思えない。
葵など、問題外だ。