楽園の炎
「そのときはすでに、必要ありませんでしょ」
「? どうして?」
きょとんとする朱夏に、セドナはアルを見た。
アルも、曖昧に笑い返すしかできない。
苦笑いしながら、アルは軽く朱夏の胸の下で締めてあった帯を引いた。
帯はあっけなく解け、薄衣の前が、はらりと開く。
「・・・・・・脱がせ易いでしょう?」
帯を翳して見せるアルに、朱夏はまた、ぽかんとした顔を向けた。
今はまだ、薄衣も布の状態でしかないので、普通の衣装の上にかけていただけだ。
薄衣の合わせが開いたところで、別に困ることはないが、アルの言葉の意味に、朱夏はみるみる真っ赤になった。
「初夜ですもの。複雑な夜着を着るなんて、心を許していない証拠ですわよ」
「そそそ、そんな、夜着一つで、そこまでわかるものなの?」
おろおろと、意味もなく肩にかかった薄衣を握りしめる朱夏に、セドナは額に指を当てて、唸るように言った。
「・・・・・・朱夏姫様、夕星様の前では全然構いませんが、その他の者の前では、あまり無防備な発言は、お控えくださいよ」
何が何だかわからず、朱夏は一人、真っ赤なままおろおろしてしまう。
アルが、そんな朱夏に、呆れたように大きくため息をついた。
「? どうして?」
きょとんとする朱夏に、セドナはアルを見た。
アルも、曖昧に笑い返すしかできない。
苦笑いしながら、アルは軽く朱夏の胸の下で締めてあった帯を引いた。
帯はあっけなく解け、薄衣の前が、はらりと開く。
「・・・・・・脱がせ易いでしょう?」
帯を翳して見せるアルに、朱夏はまた、ぽかんとした顔を向けた。
今はまだ、薄衣も布の状態でしかないので、普通の衣装の上にかけていただけだ。
薄衣の合わせが開いたところで、別に困ることはないが、アルの言葉の意味に、朱夏はみるみる真っ赤になった。
「初夜ですもの。複雑な夜着を着るなんて、心を許していない証拠ですわよ」
「そそそ、そんな、夜着一つで、そこまでわかるものなの?」
おろおろと、意味もなく肩にかかった薄衣を握りしめる朱夏に、セドナは額に指を当てて、唸るように言った。
「・・・・・・朱夏姫様、夕星様の前では全然構いませんが、その他の者の前では、あまり無防備な発言は、お控えくださいよ」
何が何だかわからず、朱夏は一人、真っ赤なままおろおろしてしまう。
アルが、そんな朱夏に、呆れたように大きくため息をついた。