楽園の炎
朝、いつものように動きやすい服に着替え、剣を持って部屋を出ようとした朱夏を、セドナが呼び止めた。
「朱夏姫様、駄目ですよ。もうすぐお衣装係が来ますからね。今日はじっとしておいてくださいな」
「ええええ~~? もう後はいなくてもいいって、この前言ってたじゃない~」
さも不満そうに口を尖らす朱夏に、セドナは、ちっちっと指を振る。
「最後ですわよ。出来上がりましたので、最終チェックです。ちょうど竜のキャラバンが来ておりますので、似合う小物も選びましょう」
セドナが言ったとき、部屋の扉が叩かれ、対応した侍女が走ってきた。
「お衣装係が、いらっしゃいました」
「さ、では朱夏姫様。諦めてこちらにいらしてくださいな」
「・・・・・・はぁい」
朱夏が部屋に戻ると、侍女がわらわらと集まってきた。
入ってきた衣装係が、捧げ持っていた大きな箱を、恭しく朱夏の前に置く。
「えーっと、見てみてもいい?」
目の前に置かれた箱に、誰も手を付けないので、朱夏はとりあえず、己がまず箱を開けねばならないのだろうと、口火を切った。
衣装係が、満足そうに頷く。
んしょ、と大きな蓋を開けると、中には真っ白な布。
手にとって見ると、確かにただの布ではないのだが・・・・・・。
「朱夏姫様、駄目ですよ。もうすぐお衣装係が来ますからね。今日はじっとしておいてくださいな」
「ええええ~~? もう後はいなくてもいいって、この前言ってたじゃない~」
さも不満そうに口を尖らす朱夏に、セドナは、ちっちっと指を振る。
「最後ですわよ。出来上がりましたので、最終チェックです。ちょうど竜のキャラバンが来ておりますので、似合う小物も選びましょう」
セドナが言ったとき、部屋の扉が叩かれ、対応した侍女が走ってきた。
「お衣装係が、いらっしゃいました」
「さ、では朱夏姫様。諦めてこちらにいらしてくださいな」
「・・・・・・はぁい」
朱夏が部屋に戻ると、侍女がわらわらと集まってきた。
入ってきた衣装係が、捧げ持っていた大きな箱を、恭しく朱夏の前に置く。
「えーっと、見てみてもいい?」
目の前に置かれた箱に、誰も手を付けないので、朱夏はとりあえず、己がまず箱を開けねばならないのだろうと、口火を切った。
衣装係が、満足そうに頷く。
んしょ、と大きな蓋を開けると、中には真っ白な布。
手にとって見ると、確かにただの布ではないのだが・・・・・・。