楽園の炎
「ああ・・・・・・。そういえば、宝剣がないんでしたねぇ」
セドナが『守り刀』に連動して、思い出したように言った。
「本来はお式で、皇家の者は、お相手に贈った宝剣に、愛を誓うのですが。夕星様は、アルファルドで宝剣をなくされたとか?」
「うん。初めて会ったときに、すでになくしてたわ」
あはは、と笑う朱夏は、あれ? とふと不安になった。
皇帝も皇太子も、特にそんな深刻そうに言ってなかったように思ったが、式に愛を誓うというのは、結構重要なことではないのか。
どうするのだろう。
「ねぇ、宝剣自体がないってことは、その、ユウは誓いを立てられないってこと?」
愛を誓ってもらえないというのは、ちょっと寂しい。
しゅん、としていると、まぁ、とセドナが目を見開いた。
「まぁまぁまぁ。朱夏姫様、お可愛らしいこと。わたくし、ちょっと感動しましたわ」
ぎゅうっと朱夏を抱きしめる。
ふくよかなセドナの胸に顔が埋まり、朱夏はわたわたと暴れた。
「大丈夫ですよ。まぁ、皇家の宝であるものを、お迎えするお相手に渡す、という形式のためですから。モノが剣なわけで、誓いを乗せるのにも良いということで、『宝剣に愛を誓う』となってますけどね。夕星様のことですし、朱夏姫様に愛を誓わないはずがありません」
何か、もしかしたら物凄く恥ずかしいことをされるかも、と思っていると、アルが口を挟んだ。
「では宝剣でなくても、何でも良いということですか?」
セドナが『守り刀』に連動して、思い出したように言った。
「本来はお式で、皇家の者は、お相手に贈った宝剣に、愛を誓うのですが。夕星様は、アルファルドで宝剣をなくされたとか?」
「うん。初めて会ったときに、すでになくしてたわ」
あはは、と笑う朱夏は、あれ? とふと不安になった。
皇帝も皇太子も、特にそんな深刻そうに言ってなかったように思ったが、式に愛を誓うというのは、結構重要なことではないのか。
どうするのだろう。
「ねぇ、宝剣自体がないってことは、その、ユウは誓いを立てられないってこと?」
愛を誓ってもらえないというのは、ちょっと寂しい。
しゅん、としていると、まぁ、とセドナが目を見開いた。
「まぁまぁまぁ。朱夏姫様、お可愛らしいこと。わたくし、ちょっと感動しましたわ」
ぎゅうっと朱夏を抱きしめる。
ふくよかなセドナの胸に顔が埋まり、朱夏はわたわたと暴れた。
「大丈夫ですよ。まぁ、皇家の宝であるものを、お迎えするお相手に渡す、という形式のためですから。モノが剣なわけで、誓いを乗せるのにも良いということで、『宝剣に愛を誓う』となってますけどね。夕星様のことですし、朱夏姫様に愛を誓わないはずがありません」
何か、もしかしたら物凄く恥ずかしいことをされるかも、と思っていると、アルが口を挟んだ。
「では宝剣でなくても、何でも良いということですか?」