楽園の炎
聞いてない、とまたもや朱夏はパニックに陥る。
その間にも夕星は、朱夏の手を引いて戦車に乗せた。
「パレードっていうか、まぁ民へのお披露目みたいなもんだよ。普通は戦車で、ぐるっと町を回るのさ」
「無~理~」
戦車の縁にしがみついて、朱夏はまた、ぶんぶんと首を振った。
「大丈夫ですよ、神殿までは近いですから。人目もそうありませんので、転がり落ちても、我々が回収して差し上げますよ」
戦車の横に馬を付けながら、ネイトが言う。
「しかし夕星様。戦車以外となると、馬ですか?」
ゆるゆる戦車を動かしながら、夕星が頷いた。
「ああ。そっちのほうが朱夏も楽だろ。町中で転がり落ちても困る」
「そうかもしれませんが・・・・・・」
少し心配そうに、ネイトは夕星の前で台座の縁に貼り付く朱夏を見た。
朱夏はもうすでに必死なので、周りのことになど気は行かない。
「このドレスで、ちゃんと乗れますかね」
「何、朱夏のことだ。大丈夫さ」
必死の形相で戦車にしがみつく朱夏の頭をぽんと叩き、夕星は自分の軍馬を用意するよう、ネイトに命じた。
その間にも夕星は、朱夏の手を引いて戦車に乗せた。
「パレードっていうか、まぁ民へのお披露目みたいなもんだよ。普通は戦車で、ぐるっと町を回るのさ」
「無~理~」
戦車の縁にしがみついて、朱夏はまた、ぶんぶんと首を振った。
「大丈夫ですよ、神殿までは近いですから。人目もそうありませんので、転がり落ちても、我々が回収して差し上げますよ」
戦車の横に馬を付けながら、ネイトが言う。
「しかし夕星様。戦車以外となると、馬ですか?」
ゆるゆる戦車を動かしながら、夕星が頷いた。
「ああ。そっちのほうが朱夏も楽だろ。町中で転がり落ちても困る」
「そうかもしれませんが・・・・・・」
少し心配そうに、ネイトは夕星の前で台座の縁に貼り付く朱夏を見た。
朱夏はもうすでに必死なので、周りのことになど気は行かない。
「このドレスで、ちゃんと乗れますかね」
「何、朱夏のことだ。大丈夫さ」
必死の形相で戦車にしがみつく朱夏の頭をぽんと叩き、夕星は自分の軍馬を用意するよう、ネイトに命じた。