楽園の炎
「ナスルを花嫁とするということは、ただ愛するというだけではない。それだけでは、私はこの婚姻を認めない。今ここで、そなたはこの宝剣に、誓いを立てるのだ」
ぐい、と宝剣を、憂杏に突き出す。
「ナスルを、生涯守り通す、と」
皇帝の強い瞳に、場が静まり返る。
憂杏は、しばらくじっと皇帝を見上げていたが、やがて恭しく、宝剣を両手で受け取った。
「もとよりそのつもりです。わたくし、憂杏は、生涯ナスル姫様を愛し、その御身をお守りすることを誓います」
皇帝陛下が頷き、ナスル姫が憂杏の横でふるふると震えている。
いますぐ飛びつきたいのを堪えているのか、泣き出しそうなのを堪えているのか。
「よろしい。ではこの誓いを持って、ナスルを憂杏に嫁すことを認める。宝剣は憂杏が、守り刀はナスルが持つが良い」
皇帝陛下が宣言し、同時に皆が立ち上がって拍手した。
その音を合図に、神殿の出口から、物凄い歓声が上がる。
「な、何?」
驚いた朱夏を、夕星が促して、神殿の中央の回廊に踏み出す。
「民がお祝いしてるのさ。この後、民の前に出るからな」
そ、そういえば、パレードがどうとか・・・・・・と、やっと朱夏は思い至った。
が、あまりの歓声に、足が竦んでしまう。
ぐい、と宝剣を、憂杏に突き出す。
「ナスルを、生涯守り通す、と」
皇帝の強い瞳に、場が静まり返る。
憂杏は、しばらくじっと皇帝を見上げていたが、やがて恭しく、宝剣を両手で受け取った。
「もとよりそのつもりです。わたくし、憂杏は、生涯ナスル姫様を愛し、その御身をお守りすることを誓います」
皇帝陛下が頷き、ナスル姫が憂杏の横でふるふると震えている。
いますぐ飛びつきたいのを堪えているのか、泣き出しそうなのを堪えているのか。
「よろしい。ではこの誓いを持って、ナスルを憂杏に嫁すことを認める。宝剣は憂杏が、守り刀はナスルが持つが良い」
皇帝陛下が宣言し、同時に皆が立ち上がって拍手した。
その音を合図に、神殿の出口から、物凄い歓声が上がる。
「な、何?」
驚いた朱夏を、夕星が促して、神殿の中央の回廊に踏み出す。
「民がお祝いしてるのさ。この後、民の前に出るからな」
そ、そういえば、パレードがどうとか・・・・・・と、やっと朱夏は思い至った。
が、あまりの歓声に、足が竦んでしまう。