楽園の炎
「お前は今後、余生をウラカンで過ごすことになる」
皇太子が言い、控えていたアシェンから、宝剣を受け取った。
皇族は皆、宝剣を持っている。
アリンダも、もちろん。
今アシェンが皇太子に渡したのは、アリンダの宝剣だ。
「ここに、ククルカン皇家第二皇子・アリンダと、ククルカン皇家の繋がりを絶つ」
皇帝陛下の言葉に、アリンダが目を見開く。
そんなアリンダに冷たい一瞥を投げ、皇帝陛下は自分の剣を引き抜いた。
が、その手を夕星が押さえる。
「俺に、やらせてください」
夕星の手にある小さな守り刀に気づき、皇帝陛下は、うむ、と頷いた。
皇族からの追放は、その者の宝剣を、皇家の者が砕くのだ。
神殿の大神官が白い布を用意し、アリンダの宝剣を据えた。
夕星は、朱夏から借りた守り刀を、ぐい、とアリンダの鼻先に突きつけた。
「これが何かわかるか?」
精一杯の虚勢を張って、アリンダは夕星を睨むが、今夕星を包む気は半端ない。
震えてしまう身体を悟られないようにするだけで限界だ。
何も言えずにいるアリンダに、馬鹿にしたように夕星は続けた。
「お前から朱夏を守った、俺の守り刀だ」
皇太子が言い、控えていたアシェンから、宝剣を受け取った。
皇族は皆、宝剣を持っている。
アリンダも、もちろん。
今アシェンが皇太子に渡したのは、アリンダの宝剣だ。
「ここに、ククルカン皇家第二皇子・アリンダと、ククルカン皇家の繋がりを絶つ」
皇帝陛下の言葉に、アリンダが目を見開く。
そんなアリンダに冷たい一瞥を投げ、皇帝陛下は自分の剣を引き抜いた。
が、その手を夕星が押さえる。
「俺に、やらせてください」
夕星の手にある小さな守り刀に気づき、皇帝陛下は、うむ、と頷いた。
皇族からの追放は、その者の宝剣を、皇家の者が砕くのだ。
神殿の大神官が白い布を用意し、アリンダの宝剣を据えた。
夕星は、朱夏から借りた守り刀を、ぐい、とアリンダの鼻先に突きつけた。
「これが何かわかるか?」
精一杯の虚勢を張って、アリンダは夕星を睨むが、今夕星を包む気は半端ない。
震えてしまう身体を悟られないようにするだけで限界だ。
何も言えずにいるアリンダに、馬鹿にしたように夕星は続けた。
「お前から朱夏を守った、俺の守り刀だ」