溺愛彼氏6:4

1週目


「結菜ー帰ろっ」

鞄を肩にかけて、帰る準備が出来た細谷紗枝(さえ)は私に声をかけてきた。

私ももちろん帰る準備はできている。
だけど…

「ごめん、今日は悠紀くんと帰るの!」

と言って、ささっと教室をあとにする。


…やばいやばいやばーい
遅れちゃうかな?駅まで急がなきゃ。

私は足を更に早める。


悠紀くん、私の彼氏。
他校なんだけど、すっごく優しくてだいすき。

早く会いたくて、私は昇降口で下履きに履きかえるとまたすぐに足を早めた。

学校から駅までは6分。
その時間が長く感じられる。
走ってしまえば4分。
早く会いたくて。

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