溺愛彼氏6:4

「ガラガラガラ〜」

羽柴は教室のドアを開けるときにわざわざ効果音を付けた。
まぁ意味なんてないのだろうけど。

「んで、とりあえず俺が座ったら肩を揉む、いいな?」

「いやいや、意味わかんないから」

「意味わかんないて…そのままの意味ですけど?もっとわかるように説明した方がイイデスカ?」

いちいち羽柴の言い方にはイラっときてしまう。

「なんか、羽柴といると調子くるうんだよね」

「なにそれ?褒め言葉?照れるし」

「おめでたいやつだね」

半ば呆れ気味で私は羽柴の元を離れた。羽柴と話していると何だかイラつく。

だけど…悩みなんか忘れてた。
今思い出したけど。

…はぁ。
私はまた短くため息をついた。
その様子を見てたのかな、羽柴は私の席に近づいて小声で言った。

「北沖、人間はな、一つのこと考えてたら他のことなんて考えれないんだよ。
お前は俺のこと考えていればいい」

「意味わかんない」

私は俯いた形で答える。

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