溺愛彼氏6:4
「いいから買ってこい、味はお前に任せる」
有無を言わせない態度で羽柴が私を廊下に追い出すから私はしょうがなく購買の自販機まで買いに行く。
いくつもあるジュースの味から適当に選ぶ。
さすがにコンスープとかは選ばないけど。時期的に熱いし。
「これでいいや」
結構悩んで結局選んだのは小さめのペットボトルに入ったミルクティー。
私が一番すきな飲み物だから。
なんて単純な理由で。
買ったミルクティーを片手に私は教室へと向かった。
「遅いぞ北沖ー」
羽柴は渡されたミルクティーを見て無表情のまま、またそれを私に返してきた。
「お前にやる」
「はい?」
「いいからやる、お前今日久々に嬉しそうだし祝ってやるよ」
「ありがとう…」
「そしてお前、ホットを買ったのはわざとだろ?」
にこりと笑顔を浮かべる羽柴の顔は何故かとてつもなく怖かった。
そうです、私は地味な嫌がらせ、かなり小さい嫌がらせとしてホットを買いました。
時期的に熱いし、うん。