溺愛彼氏6:4

「えへへ」

「でへへとかムリだわ〜」

寒気がした、と紗枝は自分で自分を抱きしめた。

「でへへなんて笑ってないもん!」
「同じようなもんじゃん」

紗枝が笑うたびにポニーテールの毛先がフリフリっと動く。

「私も紗枝みたいに髪型変えてみようかな」

紗枝のポニーテールを見てたらうらやましくなった。
毎日毎日違った髪型で学校に来る紗枝はいつもきらきら輝いてみえる。一方の私は毎日何もしない。面倒ってのもあるし、何より不器用だから。

「悠紀くんに会うんだもんねっ
任せて!紗枝さまが結菜を一段と可愛く仕上げるから!」

「ありがとうー紗枝ー」

「まぁ結菜の不器用さを知ってるからね、任せなさい」

「ひどい!
あ、先生だ。じゃあお昼休みにお願いしますっ」

お互いが席に着くと同時にHRが始まった。

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