溺愛彼氏6:4

「きりーつ、気をつけ、礼」

4限目の授業が終わった。
窓の外の空は相変わらず雨降りだ。

だけど私の心は思った以上に軽い。

「結菜、食べよー」

紗枝が可愛らしい黄色のお弁当箱を持ってやってきた。私たちは一つの机を挟んで向かい合わせになって座る。

「今日は、から揚げだっ」

紗枝は蓋をあけると嬉しそうな声を出しながら箸をカチカチとならす。

「私はミニグラタンだよ」

「いいな〜
ま、これもそのグラタンも冷凍食品だけどね」

「それ言ったらおしまいだから」

私たちは箸をどんどんすすめていく。時折会話を織り交ぜながら。

「ごちそうさまでした、ふぅ」

「おいしかった」

いつもより早いペースで今日は食べた。一息つくと、紗枝は立ち上がって私の後ろに回った。

「じゃあ始めよっか」

くしを私の髪に通しながら紗枝は嬉しそうに話す。

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