溺愛彼氏6:4
「別れ…?」
この一言を意識していなかったわけじゃない。
だけど今の自分がその状況に近いことを認めたくはなくて…。
「羽柴のばか。」
私はいつも羽柴に当たっちゃうんだ。
「…北沖?俺、今日話したいことあるんだけど…」
羽柴は俯きがちに弱々しく声をかけてきた。
「羽柴…、何?
改まっちゃって…」
「改まらなきゃ言えないことなの!」
顔をあげてまっすぐ私を見る羽柴の顔は少し赤くて。
「じゃあ…今日の放課後にでも」
私が言うと、羽柴は力強く うん、と頷いた。
その日、放課後まで羽柴が私に話しかけることはなかった。
それもいつもと違う気がして私は少し変に思った。