溺愛彼氏6:4

「じゃあまた明日〜」

クラスメート達がそれぞれ挨拶を交わして教室を後にして行く。

「じゃあまたね」

「紗枝、部活頑張ってね、バイバーイ」

紗枝は私に別れを告げて、教室を出て行った。

5月の午後4時頃。
夕焼けにはまだ早くて。
まだ教室は明るい。


「北沖…一緒に帰ろ?」

羽柴が私の机の横にやってきて声をかけてきた。

私はかばんに荷物を詰めていた手を止めて、ゆっくりと羽柴を見上げた。

「羽柴、帰ろっか」

私が答えると羽柴は、くしゃっと笑った。

いつも見せる意地悪な笑顔と違うその表情が私を不覚にもドキっとさせた。

「か…か帰ります」

変に意識したせいか私の声は震える。

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