溺愛彼氏6:4
「北沖は何にする?」
「イチゴ!」
「ぽいな!」
「え、なんで?!」
なんとなく!
と言いながら羽柴はさっさとレジに向かっている。
「ちょ、羽柴待ってよ」
羽柴は会計をすでに終えていて、その手にはアイスが2つ握られていた。
「北沖はイチゴだよな」
「あ、ありがとう。待って、お金払うから」
私は鞄からサイフを取り出そうとすると、羽柴は無理矢理その手を止めさせようと私の顔の前にアイスを差し出してきた。
「いらねーて」
「で、でも」
私は差し出されたアイスを握りながら羽柴を見上げる。
「だから、いらねーて。
俺が付き合わせたんだからそれくらい奢らせろって」
羽柴はニコッと笑いながら自分のアイスを食べだした。
…羽柴、ありがとう。