溺愛彼氏6:4
そんな私の態度が気に食わなかったのかな、
羽柴はわざわざ私の机の前まで来て声をかけてきた。
「今日も一緒に帰るよね?」
「あぁ、うん。そうだね」
なんだろう。いやなわけじゃないけれど、でも何だか凄く気が重い気がしてしまった。
でも、羽柴が嬉しそうにニコって笑うから、そんな重い気持ちの自分に罪悪感が湧くんだ。
羽柴が笑った顔は目尻が下がって可愛い。
「じゃあまたあとでね!」
羽柴は笑顔のまま、私の席から離れて自分の席に着いた。
そんな羽柴を目で追って、安堵のため息をついた。
このため息はなんなんだろう。
「相変わらずですな、お二人は!!」
ニヤニヤと笑う紗枝をチラリと見て、私はまたため息をついた。
紗枝は私と羽柴が仲良くしてると凄くからかいたそうな顔をする。
わかりやすいというか、なんというか。