溺愛彼氏6:4
塾の受付のロビーを見渡す。
様々な制服を着た、同年代の子達がたくさんいる。
私は、重要なあることに気がついた。
…今日って悠紀くん授業あるの?
これは完全に
や ら か し た 。
もし今日悠紀くんが授業なかったとしたら、私は一体羽柴と先ほどまで何をしていたのだろうか。とんだ茶番だ。
スクールカバンに入れてある携帯を取り出して時間を確かめる。
まだ来たばかりだけど、もう帰ろう。
周りが知らない人ばかりだから、緊張しちゃってあまり長居はできない。一刻も早くここから去りたかった。
…仕方がない。悠紀くんのお家の近くまで行ってみようかな。
私は塾を後にして、悠紀くんの家までの道のりを歩き出した。
もしかしたらその途中で悠紀くんに会えるかもしれないという期待を胸に。
一人で歩いていると変に色々考えてしまってダメだね。
そろそろ悠紀くんの家だ、って思ってしたを向いて歩いていたけど顔をあげた。
ここは直線の道で先までよく見通せる。
だから、見たくないものだって見えてしまうでしょ。