溺愛彼氏6:4
悠紀くんは一体なにを考えていたのかな。
私と距離をおきたいって言ったとき、羽柴と手を繋いでいる私を見たとき、私にキスをしたとき。
気がついたら私は悠紀くんとその美那と呼ばれる女の子の近くまで足を進めていた。
声をかけようか迷っていたけど、その前に悠紀くんが私に気がついたみたいで、ふわりと笑った。
抱き合ってる二人。
女の子の肩越しに見える悠紀くんの笑顔は、柔らかくてそれだけで胸がひどく苦しくなった。
その笑顔にどんな意味があるのか、その笑顔の裏側にはどんな気持ちが隠されているのか。
私にはわからなくて、ただ呆然と悠紀くんの笑顔を見つめていた。