溺愛彼氏6:4
彼から離れるんだ。
彼に執着して依存して、大好きで、私は悠紀くんから離れなければきっと彼をずっと求めてしまう。
それなのに心のどこかで彼を疑い続ける。
美那さんにキスができるくらい、悠紀くんの私への気持ちはその程度だったのだと思う。
彼が私を想うよりも、私が悠紀くんを想うほうがよっぽど強かった。
大好きだった。
笑えて言えたはず。
「え、ちょっと待って」
悠紀くんは困ったように眉をひそめた。
その場を離れようと立ち上がる私の手を引いてまたベンチに座らせる。
「結菜ちゃんは僕なしでいいの?」
この問いに私は頷く。
「うそでしょ、だってそれなら今日わざわざ会いに来ないよね?」
私の答えに納得していない様子の悠紀くんはさらに言葉をつづけた。