溺愛彼氏6:4
何度も通った悠紀くんのお家へ行く道。
その道を一人で帰る。
もうこの道に来ることはないんだろうな、悠紀くんと別れたからこの道を使う理由もないし。
初めて悠紀くんを見たとき、あんなにかっこいい人と仲良くなれたらいいなって思った。
悠紀くんと何度も何度も連絡を取り合った。初めて2人で会う日の前日は眠れなかったっけ。
はじめて手を繋いで、はじめてキスをして。
私の初めてはあなたばかりで、私の想いはいつもいっぱいいっぱいだったよね。
一人で居るとたくさんのことが思い出されて泣きそうになる。
ふと見た携帯に羽柴からの連絡が入っていた。
私は駅までの道を走った。悠紀くんとの思い出を断ち切るために。
走って走って、一刻でも早くあなたに会いたい。もう傷つけないって約束するから。