丁寧な言葉にご注意を。
ーカチッ
「もう閉館時間ですね。閉めましょう。」
中臣が本を閉じる。
「そだねーあたし中に誰もいないか見てくる。」
「お願いします。」
まずは一階から
まばらにいたご老人方に声を掛ける。
「すみませーん。もう閉館時間ですので」
「おぉそうかい。」
「すまないねぇ。」
などと言ってゆっくり帰っていく。
うし二階ー
階段を上がる。
二階は主に資料室や自習室。
自習室には誰もいない。資料室を見るとさっきの帽子を被った人がいた。
「すみませーん。もう閉館時間ですので‥」
スッ、とあたしの横を無言で通り過ぎたその人
無視かよ!!
その人以外は資料室にいなかったのであたしは一階に降りた。
「ご苦労さまでした。もういませんか?」
「ん」
仏頂面のあたしに気付いたのか中臣が聞く。
「機嫌悪いみたいですね。お腹でもすきました?」
「子供か!!」
中臣の中のあたしってどんだけ子供なんだ!!と思った。