丁寧な言葉にご注意を。





ーカチッ




「もう閉館時間ですね。閉めましょう。」




中臣が本を閉じる。




「そだねーあたし中に誰もいないか見てくる。」



「お願いします。」




まずは一階から




まばらにいたご老人方に声を掛ける。




「すみませーん。もう閉館時間ですので」



「おぉそうかい。」



「すまないねぇ。」




などと言ってゆっくり帰っていく。




うし二階ー




階段を上がる。




二階は主に資料室や自習室。




自習室には誰もいない。資料室を見るとさっきの帽子を被った人がいた。



「すみませーん。もう閉館時間ですので‥」




スッ、とあたしの横を無言で通り過ぎたその人




無視かよ!!




その人以外は資料室にいなかったのであたしは一階に降りた。




「ご苦労さまでした。もういませんか?」



「ん」




仏頂面のあたしに気付いたのか中臣が聞く。




「機嫌悪いみたいですね。お腹でもすきました?」



「子供か!!」




中臣の中のあたしってどんだけ子供なんだ!!と思った。











< 11 / 144 >

この作品をシェア

pagetop