丁寧な言葉にご注意を。
「遠藤さんの他にあなた方が資料室に入ってきても遠藤さんはそんなに気にはしないでしょう。」
自分と同じように資料を取りにきたくらいにしか思わないだろう。
まさか自分を殺しにきただなんて思わないからー‥
だから背中を向けてしまった。
そして犯人に殴られた。
「遠藤さんは恐らく気絶した。そこに遠藤さんの首に縄を掛けた。」
ここからが、謎の部分。
「遠藤さんは成人男性です。あのカーテンレールに縄を掛けて遠藤さんを持ち上げるのは女性には難しいでしょう。」
じゃあ、水川と前田は違う?
「ですが江口さんは遠藤さんより小柄。大してスポーツをしてるようなことはない。
江口さんにも遠藤さんを持ち上げることは不可能でしょう。」
確かに、彼は小柄だ。
じゃあ、犯人は……
「品川、君が……?」
前田が品川を見る。
勿論、他の全員、品川を見た。
「なっ、違う!!
第一俺は自習室から一歩も出てないじゃないか!!」
「しかしだね~‥」
品川の否定に、うざみんは疑念の眼差しを向ける。
「その通り。
品川さんにも犯行は不可能ですよ。」
「「はぁ!?」」
中臣の言葉に、あたしもうざみんも驚く。