丁寧な言葉にご注意を。
弓道場に何かあるの?
そう思って弓道場の入り口……にはたくさんの女子がいたので、人気のない窓から中を覗く。
窓は建物が木造なので、ガラスはない。
中は的を狙う生徒がいて、よく見えた。
「あ」
見えたのは明るい茶髪の男子
彼を見て、この黄色い声援に納得した。
彼の名前は
相楽 楓(サガラ カエデ)
隣のクラスで、校内一のモテ男くん。
たしかに甘ーーいマスクで、性格も優しいし明るい。
ほーん。弓道部だったんだー
あたしは興味のない事には冷静に見れる性格で、だから彼については隣のクラスの男子って事しか知らなかった。
あれ?弓道部って……
何かを急速に思い出した。
「何をしているんですか貴女は」
「な、中臣クーン♪ぐ、偶然!!」
踵を返した所で中臣に見つかった。
中臣は弓道着のまま、窓枠に右手をかけて私を見ていた。
「偶然も何も貴女は僕が弓道部なのをご存じでしょう?」
深いため息をついた中臣
「ふっ、不可抗力だよ!女子の黄色い声援が聞こえたから何かと思って……」
必死の弁解
なにゆえここまで必死に弁解せにゃならんのだ!?
中臣は諦めたのか、ため息をついた。
「実央さんは補習、ですか。」
「え、ぁ、うん。物理だけ……」
「…………」
残念そうな目で私を見る中臣。
「やめてよその目!!」
惨めになるから!!
何その視線攻め!!