丁寧な言葉にご注意を。





中臣は、あの図書館にいた大学生グループを怪しんでいる。




まぁ、あの被害者と関わりを持っているのはあの人達だけだし。




他にいたのはお年寄りとあたしと中臣だけだ。




‥でも、あたしの予想ではあの男2人のどっちかだと思うんだよね。




被害者は大の大人の男だし。




結構な力がなかったら被害者を持ち上げられない。




もしかしたら、ナイフとか凶器になりそうなもので脅したのかもだけど




館内にも、そういった凶器は見つからなかったし。




となるとどうやって被害者を殺したんだろう。




相手は力もあるだろうし、でも、着衣や部屋には暴れたような形跡はなかった。




裏をかえせば、被害者の気を許す存在、って事になるんだけど。




「ご協力ありがとうございました。
どうやらこちらの店舗には被害がないみたいです。流石ですね。」




中臣はにこやかに微笑み、決して相手を不審にさせないよう、誉めつつ、



まさに詐欺師。




「上にはこちらから報告しますので、あなた方は何もせずとも構いませんので。」




ナチュラルに何もするなと忠告し、あたし達は店を出て、次の店へと向かった。











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