丁寧な言葉にご注意を。





と、若干理不尽な怒りを抱きつつ、むくりと起き上がる。




あーぁ‥
投げ合った本達が床や壁に当たったせいで
所々、角が潰れていた。



やっべ。




だが中臣は飄々としている。




それがまた腹の立つこと。




腹が立ったはらいせに、あたしは中臣に言うつもりのなかった事を言った。




「目立つ訳にはいかない。」




あたしの言葉に、背中越しの中臣の動きが、止まった気がした。




あたしはそのまま後ろを振り向くことなく続けることにした。




「それってさ、学校の奴らとかにバレたりしたら面倒くさいとかだと思ってたんだよね。」




だって、
なんでただの高校生であるあたし達が事件に首を突っ込んでいるのか。




大人からしたら邪魔だし、子供からしたら興味の的だ。




加えて高校生という、はっちゃけた時期の奴らは、こういった話にやたら食いつく。




あたし達2人が一緒に行動するのも、




端から見て、勝手に想像すればそれは色恋めいたものになるはず。




本人達が違うと言っても聞き入れないだろう。




まぁ確かに、休み中に会っていればそんな風に勘違いするし。




だからあたしは、中臣が変装めいた事をしたのかと思った。











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