うさミミ!~兄と王子と幼なじみと~「ヲタは××できないなんて、言わせないんだから!」(仮)



たぶん今日、あたしはさんざん雪くんを振り回したと思う。(真顔


気づいたら人も少なくなってて、太陽も沈みかけていた。


はしゃいで疲れたあたしたちは、なんとなくまた図書室に来た。←なぜ



「あ~楽しかったー!疲れたー」


あたしはドアから一番近い席にドカッと座ってのびをした。



「佐々木さんほんとに楽しそうだったね」


と、雪くんも隣に座った。


横顔をちらと見ると、その顔は微笑みながらも疲れているように見えた。



「あ……雪くんごめん、あたし振り回しちゃったよね」


悪い癖だな~、と苦笑いするあたしを見て雪くんは、



「や、楽しかったよ?……ちょっと疲れたけど、こんなに1日中動き回ったりするの、慣れてないだけだから(笑)」



そう言って笑って頭をポンポンされた。



……なにこれ萌える。





あ、



ふと脳によぎったのは咲の顔。



そうだ、



雪くんに、ちゃんと言わなくちゃ。






「雪くんあのね――――」




その瞬間、窓の向こうからワァッと歓声が聞こえた。



下を向いてぼそっと言ったあたしの言葉は、雪くんには届いてないだろう。



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