うさミミ!~兄と王子と幼なじみと~「ヲタは××できないなんて、言わせないんだから!」(仮)
「え、な、なに……?」
予想してなかった事態にいろいろ動揺するあたし。
「中夜祭だね」
雪くんは席を立って窓のそばまで行き、
「すごいよ佐々木さん」
こっちにおいでよと言わんばかりの顔をされ、あたしも席を立つ。
今そんなことしてる場合じゃないのに……。
なんていう思いは、すぐにどこかへ飛んでった。
そこから見えたのは、おっきなおっきなキャンプファイヤーだった。
外はいつの間にか暗くなっていたらしい。
藍色の景色に、オレンジの炎がよく映えていた。
「すごーい!初めて見たー!……熱っっっ!?」
興奮して思わず窓を開けると、ブォワッと熱気が入って来た。ものすごい熱かった。
大丈夫?って笑う雪くんを見ると、やっぱり少しドキドキして、
でもそんな気持ちに涙が出そうになるの。
あたしは窓の外へ視線を反らした。
そのときふと目に入った、
………………咲。
図書室は二階だから、一人一人の顔が普通に見える。
別に、探してたわけじゃない。
でもわかるの。
言わなきゃ。
「雪くん、好き」