うさミミ!~兄と王子と幼なじみと~「ヲタは××できないなんて、言わせないんだから!」(仮)
なんとか人ごみを避けて、特別棟へ走った。
何かと応援してくれてた花音に、早く伝えたい。
なのに……あれ?特別棟には人の気配が無い。控え室になってる教室からすら、物音ひとつしない、真っ昼間。
でも、遠くのほうに一つだけ、開いているドアがあった。
あそこって…………。
“図書室”
花音、ふだん図書室なんて全然行かないし……でももう一か八か!
走って図書室の前に着いて、開いているドアからそっと中を覗いた。
目に入ったのは、
花音。…………と、雪くん。
「ええぇぇえ!?」←空気読めない人
「「あ」」
目を丸くした二人が同時に振り向いた。
「ちょ、え、えええぇぇ~~~???」
思わずその場にへたり込むあたしに駆け寄り、「ごめんね」と笑って手を差し出した花音。
そして今までのことを全部説明された。
内容はこんな感じ。
花音は中学のときから雪くんが好きで、頑張って同じ高校に入学。
するとまさか友達(優由)が雪くんが好きだと言い出した!
…………が、何かと優由につきまとう咲を見て悟り(女の勘)、これはいろいろ大丈夫だと確信した。
全部理解したとき一瞬あたしは唖然となった。
「そ……そうだったの~~!?早く言ってよ~~」
と言うと、
「だってゆうゆあんまり面白いから…(笑)」
と笑われた。
ちょ、ちょっとぉぉお!