うさミミ!~兄と王子と幼なじみと~「ヲタは××できないなんて、言わせないんだから!」(仮)



――リアルはいつも笑ってられるわけじゃない。


むしろ笑えないときの方が多い気がする。


でもきっと優由は笑っているほうが多いと思う。←


なにしろこの方宇宙人ですから。



「ってそんな場合じゃないよ!」


体育祭が終わった次の日。


なぜか教室はピリピリした空気だった。


その理由は……



「テストなんてくそくらえぇぇ」


そう、テストという高校生がいちばんストレスな期間がやってきた。



「うぁぁああぁぁ」


机の上でうなだれていると、


「ゆうゆ知らなかったの?もー」


とかわいらしい花音の声。


癒しだ……。



「はっバカは大変だな」


はい?


「うるさいな咲だってバカじゃん。花音とのおしゃべりに入ってこないでよジャマっ」


「おーおーイライラなうですかー?(笑)」


「ふんだ。どーせ今回も赤点だらけだよ!2次元でよくあるヘタレ主人公みたいにね」



咲はなんだかんだ言って赤点はとらない。ギリギリだけど。


「じゃ俺が勉強教えてやるよ。夜、お前の部屋行くわ」


「え、まじ?わーいめざせ赤点回避!あ……でもさ~家だと誘惑がありすぎるから……学校で!」


「んじゃ図書室でやるか」




それが物語の始まりだった(と言うほどのことでもない)。



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