うさミミ!~兄と王子と幼なじみと~「ヲタは××できないなんて、言わせないんだから!」(仮)
放課後。咲と図書室へ向かう。
花音も誘ったのに、なぜか遠慮がちに帰ってしまった。
どこかニヤニヤしながら。←
「で、何からやる?」
図書室のいちばん奥の、窓際の席で咲と向かい合う。
「うーん……」
「一番苦手なのは?」
「……全部?(笑)」
はあ、と呆れ顔の咲は数学の教科書を出した。
数学かぁ……。
やり始めて5分。
……あれ?なんか眠い……。
「この公式から説明するぞ。これは……こうだから……こうなって……」
ん……咲の声が……遠い……。
「おい。きーてんのか、ゆう」
「――はっ!目開けたまま寝てた」
「すげえなおい!……じゃなくてちゃんと聞――」
ガラッ
そのとき、優由の眠そうな目が大きく見開かれた。
それは……
「ゆ、雪くん!」