うさミミ!~兄と王子と幼なじみと~「ヲタは××できないなんて、言わせないんだから!」(仮)
花音は電車通学だしなぁ……。
咲を連れていこうと思ったけど消えてた。逃げたなあいつ。←
「じゃあ行ってきまーす」
外出届けを出しに職員室に行こうと、廊下を歩いていた。
図書室の前を通ったとき、開いているドアの隙間から、雪くんが見えた。
足が止まる。
……ちょっとだけなら、いいよね。
あたしは図書室に足を踏み入れた。
さすがに文化祭前日に図書室を使う人なんていなくて、いつにも増して静かだ。
「雪くん」
「……え?」
窓にひじをついて、お祭り騒ぎを遠くから見ていたらしい。
「こんなとこで何してるの?」
あたしも窓に寄りかかった。
「いや~なんか、みんなのテンションについていけなくてね(笑)」
「雪くんらしいね(笑)雪くんのクラス何やるの?」
「んーおばけやしきだっけな」
「おばけ役やるの!?」
「いやいや僕は受け付け(笑)」
「あ、だよねーなんか驚かすの苦手そう」
「でしょ」
なんかだいぶ自然に話せるようになったよね?
夏休みのメールのおかげかな!
少し間が空いてから、
「佐々木さん、明日空いてる?」
って、え?
「シフト以外は暇ですが……」←なぜか敬語
「じゃあさ……一緒にまわらない?」