だってキミが可愛すぎて
「な……んで」
喉の奥から絞り出すような声。
乱れた荒い息遣い。
「なんで……好きでもない子にこんなことできるの……?」
そんな彼女の切な問いかけに、思わず動きを止めて耳を傾ける。
「私、言ったじゃん……」
ボクを真っ直ぐに見上げる大きな目が、寂しそうに、切なげに揺れる。
「私は……本当に好きな人としかこういうことしたくない……!」
残っていたわずかな声を出し切ったせいか、彼女は苦しそうに肩で息をする。
「……そんなん、ボクも一緒や」
「え……?」
アカン。
心の声が思わず口に出てもォた。
「今なんて言ったの?」キョトンとしている彼女を、再び強く抱きすくめる。
「ちょ……!
今の聞いてた……!?」
「ちゃーんと聞いとったよ」
「なら……!」
暴れる彼女の口を塞ぐ。
もちろん、唇で。