だってキミが可愛すぎて
そないな可愛いコトばっか言いよるから、ますます意地悪したなんねん。
堪忍。
でもな、可愛いキミが悪いねん。
「……ええやないの、そんなんどォでも」
再び唇を唇で覆う。
ぬる、逃げ回る彼女の舌を追いかけて絡め捕る。
苦しそうに、必死に呼吸をしようともがく姿が、初々しくてどーしょーもなく可愛い。
「ボクに女がおってもおらへんでも関係あらへんやろ。
ボクんコトほんまに好きなんやったら、ボクに食べられるの本望なんとちゃう?」
「……ッ!」
あらら、また泣かせてもーた。
やっぱりたまらへんなァ……。
縋るような目をして、切なげに眉をひそめる表情は、いじらしくて色っぽくて、最高に綺麗や。
この表情見ると、この子はボクのモンなんやって実感出来る。
「そん、なの……やだ」
涙で顔をぐしゃぐしゃに濡らした彼女から出された声は、今にも消えそうなくらい小さく細い。
「言ったでしょ……?
こういうコトは、想い合ってないと出来ないって……。
私が好きでも……アナタが私を好きじゃなきゃ……こんなコト出来ないよ……!」
彼女がボクを睨みつける。
だけど、その目はあまりにも弱々しい。
「昔から、そういうところが嫌いなの……!
私の中にはずかずか踏み込んでくるくせに、そっちに私が踏み込むことは許してくれない。
もう……いい加減にしてよ……。
何考えてるか分からないよ……」