だってキミが可愛すぎて
「……寝言でボクん名前呼んどったけど、どない夢みてたん?」
「!」
「……お昼寝しとった時も、『好き』って言うてたけど、誰のことやの?」
「!」
彼の白くて綺麗な手が、そっと私の頬を撫でる。
「言うて?
好きって」
ずるい。
ずるい、ずるい、ずるい。
そんな愛しそうな目で見つめながら、いつもよりもっともっと甘い声でそんな風に求められたら、私の心は完全に傾く。
嫌いだなんて言えなくなる。
吐き気がしそうなほど愛おしさが込み上げて、身体中の全ての細胞が大好きだって叫びをあげて。
「なぁ」
良く熟れた果実からじゅくじゅく溢れる果汁のような、甘ったるい声。
「言うて」
甘過ぎて、頭がくらくらして、こうなったら完全に万事は彼のペース。