だってキミが可愛すぎて
「好……っ!」
「ん?
……聞こえへんかった。
もっかい言うて」
言いかけた私の口を塞いで、『好き』を呑み込んだ彼は、くつくつと悪戯に微笑んだ。
「顔、真っ赤やで?」
「うるさい意地悪っ」
「せやねェ……。
でもボクが悪いのと違うよ。
悪いのはキミや」
「!?」
「虐めたくなってまうんやもん」
「な……」
「なにそれ、どういうこと?」そう言おうとした瞬間、不意にまた優しく唇を奪われて。
しなやかな腕でするりと容易く私を抱き寄せると、彼は私の耳元にそっと唇を寄せた。
「だって、キミが可愛すぎて」
fin