【短編集】放課後は君との時間
------------放課後
今日は一日最悪だった。
お弁当は忘れてるし、仕方ないから購買でパン買おうと思ったら今度はお財布の中からっぽだし。
男子が投げた紙飛行機は頭に当たるし、日直でもないのに資料室の整理を頼まれるし。
ほんと最悪。
やっと整理が終わって、帰るところ。
驚かないけど、外は見事な晴天。
むしろすがすがしいぐらい。
はぁ、と小さくため息をついて学校を出ようと歩き出す。
「傘なんか、使わないじゃん」
そう呟いたとき、ある人が目に入った。
花壇の隅に置いてある鉢植えを必死に抱えている男の子。
その大きな男の子は、たくさん汗を流していた。
そしてその男の子の抱える鉢植えには、枯れそうな花。
「かわいそう、」
思わず呟いてた。
するとその男の子はくるっと振り返って
「かわいそうだよな、俺もそう思う」
ふ、と表情を緩めた男の子はかっこよくて、胸がときめいた。