少女マンガのある風景
『ストロボ・エッジ10巻』〜好きという感情に満ちあふれ
好き、という感情は恐ろしい。
積もるほどに、自分を見失う。
知らない自分、イヤな自分、信じられない自分が感情の底からあらわれる。
よろこびが増すほどに、さらなるよろこびを欲す。
相手のことを考えすぎる。
単純だった世界が、どんどん複雑さを増していく。
好きというたった一つの想いが、あらゆる感情をはきだしてくる。
その苦しみはやがて「好きをやめることで、ラクになれるんじゃないか」とすら思わせる。
でもやめることはできない。
「好き」だから。
好きが積もりすぎて
なにかが崩壊し
大粒の涙がこぼれる。
この感情
この苦しみを
とめられるのも
好きという感情だけだとわかっている。
好きは
弱い自分に気づかせてくれる
好きは
自分をどこまでも強くしてくれる。
好きっとても
人間らしい感情だ。