ROMANCE:winter
熱いお茶を出すと、再び直也の前に座る
「直也、24日は?」
「普通に終業式だろ、その後部活」
うん、そうだけどさ……
「じゃあ、25日は?土曜日だよ」
「土曜も部活、毎週やってるだろーが」
わかってるけどさ……
クリスマスだよ
言葉を飲み込んだ
「じゃあ、部活終わってから…」
「そういや、真田が部室でクリスマスパーティするとか言ってたな…お前も来いよ」
真田さんと腕を組んで歩く直也の姿がフラッシュバック
アタシとは出かけたことも、出かけようって言ってくれたこともないのに
学校に登校する時だって、いつも変わらない距離
いつもアタシは隣の女の子
いつもアタシは便利な家政婦
「いい、アタシもパーティ誘われてるから」
「そういや、今日クリスマスの準備とかってなんか大荷物抱えてたな…誰とパーティ??」
誰とでもいいじゃん
「クラスメート」
「ふ~ん」
ほら、やっぱりどうでもいいんじゃん
悔しくて続けた
「恋人のいない子同士集まろーって言ってんの」
「恋人のいないって……」
直也が一瞬眉をひそめたけど無視した
自業自得だもん
直也なんて知らない
アタシは食卓を片付けるべく、てきぱき動き出した