ROMANCE:winter
珍しく直也がキッチンに入ってくる


「恋人のいないって?? 誰?」


しつこい



「自分だって剣道部の子達とクリスマスパーティするんでしょ

アタシが別にクリスマスどこで何しようと関係ないじゃん」


サッサと洗い物を終えて、キッチンを出ようとすると直也が立ちはだかる



「ちょっと通らせて」

「いや」



こうして改めて向き合うと身長差が威圧的

見下ろされるのもしゃくだから、直也の肩辺りを見つめ続ける



身長差を縮めるように直也が腰を折り曲げてアタシの顔を覗き込んだ


「クリスマスは出かけるなって言ったら?」

「は?自分はパーティなのに?」

「そう、お前は出かけんな」





理不尽な束縛に抗議しようと口を開いた瞬間に、直也に空気を奪われた





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