【短】天気神
「落ち着け。な?

……下界からの願いはとどいても、俺達、神々の声は下界に届かない。

もともと…『神』と『人間』は恋愛できない。

だから大神様だって、彼女が死ぬまで待っていたんだろ?」


「……はい。」


「あーあ、お前が泣くから天気雨になってるぞ」


「あ…本当だ。」

下界を見てみると、夕暮れの中、雨が降っていた。


「すみません…ありがとうございました。子宝神」


「いや、いいよ。まぁお前、大神様に怒られるな。」
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