あの頃の夢
「あの、よかったら、
お昼ご飯、一緒に・・・・・・」
「あ~、ごめん。
お昼から演劇部、手伝いに行かなきゃ。
もうすぐ文化祭だし、
最近は練習忙しいらしくて」
演劇部、
確か委員長の友人が
部長を務めている部活だ。
文化祭の手伝い。何をするのだろう。
「今年は文化祭でどんな劇するのかな?」
「あ、そうだ。前列席はチケット配ってるから、
はい。良かったら見に来てよ」
委員長は思い出したように
スカートのポケットに
手を突っ込んで、
一枚だけチケットを取り出した。
一枚だけ、
ポケットに入れていたのだろうか。
その仕草は
優しい女の子というよりも、
むしろ男らしくて、
粋な風格を放っていた。
委員長の
体温を受け取ったチケットには、
【特別観覧席】とだけ書かれている。
毎年使えるように作ったのか、
チケットからはどんな劇なのか、
誰が出演するのかといった情報は
何もわからなかった。
ただ、
デザインだけはやたらと凝っていて、
青を基調としたシンプルな色彩に、
透かしやらぼかしやらの加工が施された雲と、
キラキラの太陽が爽やかに描かれている。
お昼ご飯、一緒に・・・・・・」
「あ~、ごめん。
お昼から演劇部、手伝いに行かなきゃ。
もうすぐ文化祭だし、
最近は練習忙しいらしくて」
演劇部、
確か委員長の友人が
部長を務めている部活だ。
文化祭の手伝い。何をするのだろう。
「今年は文化祭でどんな劇するのかな?」
「あ、そうだ。前列席はチケット配ってるから、
はい。良かったら見に来てよ」
委員長は思い出したように
スカートのポケットに
手を突っ込んで、
一枚だけチケットを取り出した。
一枚だけ、
ポケットに入れていたのだろうか。
その仕草は
優しい女の子というよりも、
むしろ男らしくて、
粋な風格を放っていた。
委員長の
体温を受け取ったチケットには、
【特別観覧席】とだけ書かれている。
毎年使えるように作ったのか、
チケットからはどんな劇なのか、
誰が出演するのかといった情報は
何もわからなかった。
ただ、
デザインだけはやたらと凝っていて、
青を基調としたシンプルな色彩に、
透かしやらぼかしやらの加工が施された雲と、
キラキラの太陽が爽やかに描かれている。