あの頃の夢
「・・・・・・」

「たぶん、
クラスの皆も知ってると思うよ」

「・・・・・・」

「先生に言ったほうがいいよ」

「階段から落ちたのは、ほんとだよ」

「こういうのは早めに言っておかないと、
後からじゃ相手にされなくなっちゃうよ」

そこにいるのは、
いつもの穏やかで
優しいだけの委員長ではなかった。

あくまでも、
クラスの委員長として秩序を守る、
勇敢な戦士のように見えた。

ただ、ぼくには彼女と一緒に戦うだけの、
度胸も根性もなかった。

窓から差し込む夕焼けが、
次第にその炎を黒い色へと染めていく。

「・・・・・・いいよもう」

「・・・・・・よくないよ」
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