君の知らない物語
春
春。
学校が始まり、足取りが軽くなる。
初々しい一年生を横目に、俺は校門をくぐった。
今年でこの高校に来る事はなくなる。
普通に恋をして、普通に生活して行くはずだった。。
中学三年のクリスマス。。デートに誘った大好きだった子に、デートをすっぽかされた。それ以来、彼女は愚か女子ともまともに話せない。
クラス替え、同じクラスに誰かいないかと探す。
クラスと言っても、3クラスしかない。だから、どうせ3年間の内には同じクラスにならない奴なんて、そうそういない。
申し遅れました、俺の名前は
千石 圭(せんごくけい)
至って普通の名前。なんの捻りもない普通な、、、
「圭!おはよう」
「ん、、おはよう。」
話しかけてきたのは、中学からの友達の
佐野裕也(さのゆうや)
こいつは、クラスのムードメーカ?
みたいに五月蠅い奴。
「これから、高校最後の学生生活!!エンジョイしようぜ!!」
「……。。。」
無視して話を遮る。
「裕也は、何組?」
「俺?俺は、3組。お前は?」
「あ、、、違うのか、俺は2組。」
「寂しいのか?」
「全然。そのニヤニヤした顔相当キモイぞ?」
つまらない・何気ない会話が俺等らしい。
これからの高校生最後の生活。
裕也の言うように、エンジョイしてみるのも良いかな?