すたにゅら☆【BL】


―――――――

ようやく帰れた。

もう午後10時だ。

りゅーちゃん先生はともかく、大地はきっと寝ているはずだ。

「ただいまぁ」

と玄関のドアを開けると、そこにはエプロン姿のりゅーちゃん先生がいた。

「あっ、尾上さん。お帰りなさい」

りゅーちゃん先生はにこやかに僕の方を見た。

「ちょっと遅かったですね。さっき大地が寝ましたよ?」

今日一日、りゅーちゃん先生は大地の面倒を見てくれたのだろう。

きちんと報告してくれた。

「嫌がることなく幼稚園へ行き、お友達とも仲良く遊んでいました。」

「ありがとうございます。りゅーちゃん先生」

僕がそう礼をいうと、りゅーちゃん先生は少しばかり嫌そうな顔をした。

嫌そうな顔というのは、あの自重気味な笑みのことだ。

「・・・・・・どうしたんですか?」

僕は思いきって質問した。

一応、形式上は恋人同士なんだから少しくらいは気になるのだ。


< 52 / 98 >

この作品をシェア

pagetop