ちっちゃい彼氏。…二人目!?
大好き
『文化祭を終了します。
来校者の方々は指示された出口から…』
放送委員のアナウンスが校内に響く。
終わった。文化祭。
「卓ーお疲れ!」
「大人気だったな~」
「一時はどうしようかと思ったけどなー。」
「まさか卓が中野にあんな態度とるなんてな。」
聞きたくない。
初めての高校の文化祭。
彼氏もできたし、休憩時間は一緒にまわったりして。
楽しみにしてた。
でも卓は休憩もろくにしないで働きっぱなし。
私のほうなんかちっとも見てくれなかった。
「愛南…?」
卓の優しい声が聞こえる。
「なによ。」
「ごめん。」
「なにが?」
ついつい冷たい態度をとってしまう。
「あの。構ってあげられなくてさ。」
「別に構ってほしいなんて思ってないし。」
嘘。
さびしかった。
これを素直に言えばいい?
「そっか。
僕は愛南といたかったけど、違った?」
「…バカ。」
「うん。」
「…好き。」
「僕も。」
「なんであんな事言ったの?」
「愛南がおっさんとしゃべるなんて耐えられない。」