恋するキャンディ3私だけの甘々不良彼氏
私たち8人は、チェックポイントの首里城へ向かうため、“ゆいレール”に乗車した。

結局当麻くんは見当たらず……。

ま、行き先は同じだし、どこかで出会うよね?

みんな一斉に列車に乗ったから、車両はウチの学校の生徒で埋め尽くされてる。




「暑くね? 制服でまわるとか、フザけてるよな~」

潤くんが制服の上着を脱いでシャツの袖を肘の上までまくりあげる。

今日の沖縄の気温は25℃だって言うし、今は列車の中でそこまで暑く感じないけど、

動いてる間に、その内暑くなってくるかも……。

潤くんは汗っかきみたいで、もう耐えきれないって顔をしていた。




「まだ大丈夫だよねー。だって制服じゃないと、初日だしはぐれた時に怖いもん。

内の制服見つけたら、助けてもらえるし」

優香がそう言うと、潤くんが

「優香は『助けて』っつー顔かよ。自力で這い上がれぇ?

あ~あちぃ。な、さや。ちょっとコレ持ってて。オレ、も~限界」

えっ。

潤くんに上着を渡される。

旅行のしおりで顔を扇ぎ、上着を持ってるのもムリって顔してる。

額には、一筋の汗。


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