恋するキャンディ3私だけの甘々不良彼氏
「さや……抱きしめていいか?」

「……うん」

うなづくと、当麻くんは切ない表情で、私を正面からギュッと抱きしめてきた。

思ったより強い力で……一瞬息が止まりそうになる。




「……この1ヶ月、ずっと……しんどかった」

「どうしたの? 話して……?」

当麻くんの生乾きの髪に手をあて、ゆっくりと下へと撫でおろす。



「爺さんがさ、…………だった」

「えっ? よく、聞こえなかった」

当麻くんは私を更に力強く抱きしめ、声もなんだか震えている。





「お爺さんが、どうかしたの?」

最近具合が悪いみたいな事言ってたし、

最悪の事が、一瞬脳裏に浮かんだ。

でも……それなら、お兄ちゃんから伝わるハズだし、

そうではないよね? と自分に言い聞かながら、当麻くんの言葉を待った。




「爺さんの体から……癌が見つかった」

え?


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